TEXENG Report 2021 No.004 (TEX技術報告・商品紹介)

技術報告▶過去のレポート

機械事業本部

真空脱ガス設備/真空排気装置設置におけるオーナーズエンジからメーカーエンジまでの一貫受注施工の取組みご紹介

真空脱ガス設備とは、極低炭素鋼、低水素鋼等の高級鋼を製造する工程で、転炉で処理された溶鋼中に溶存している炭素、水素等を真空排気装置により溶鋼を真空処理することで、迅速に除去する設備であり、製鉄用設備として重要な役割を担っている。今回の真空脱ガス設備/真空排気装置設置においては、客先の設備検討、設置の業務負荷軽減を果たすため当社がオーナーズエンジとして企画段階から業務を遂行した。操業ニーズの深い理解に基づく設備仕様の最適化および操業条件を反映したエンジニアリングスケジュールの立案により案件成案化を達成し、全体設備フロー、レイアウト含めた設計、施工、試運転、立上げまでを完遂した案件である。
本件により、案件全般の計画から実行にかけたオーナーズエンジとメーカーエンジの一貫遂行による総合エンジメーカーとしてのプロジェクトマネージメント力、技術力に対して客先に高い評価を頂いたので以下に報告する。

船舶用セルフアンローダーの建設

当社機械エンジ1 部の主要製品の一つである「プラント輸送機械コンベヤ設備の建設例」として2018 年初めに初船立上げを行った『船舶用セルフアンローダーの建設』を紹介する。本船の設備は機械エンジ4 部が納入した石灰石セルフアンローダー:SUL(TEXENGReport2019No.002 で報告済み)と組み合わせ使用する船側の設備で、詳細な取り合い調整を行った結果、客先からも高評価を受けた。当社の強みである機電一体での取り組み、さらに営業・製作(阿賀工場、海外製作)・検査・購買とすべての部署が連携・結束し、客先2 社に亘る、計3 船への搭載を実現した案件である。

電計事業本部

生産・物流最適化技術の開発と今後の展開

近年、製造業では先進的なデジタル技術とデータの活用による業務・生産プロセス改革への対応力が、企業競争力に直結している。そのため、デジタルトランスフォーメーション(DX:Digital transformation)の取組みによる事業環境変化への迅速・柔軟な対応が、経営の最重要課題の1 つとなっている。本稿では、当社が開発・提供するDX ソリューションの取り組みの中で、AI の基盤技術の1 つである数理最適化を活用した生産・物流計画への応用開発の内容とその適用事例、今後の展開について紹介する。

大分転炉制御装置更新

製鉄所の転炉制御装置更新において、①特定メーカーに依存する負荷分散と顧客投資の緩和 ②リピート効果によるソフト生産性向上 ③技術担保、技術流出防止 の目的で、全面的にソフト自製と更新に必要な提案を行い、全社で計画的に更新を進められる体制を構築する。今回、設備規模が大きく既に一部自製実績のある日本製鉄株式会社殿九州製鉄所大分地区の転炉設備を対象に自製化を果たした。本稿では自製化及び円滑立ち上げへの取り組みについて報告する。

電動機補修部門におけるサスティナブルの現状と期待

回転機は時々のニーズで更新するものもあれば、寿命目途30 年を越えて巻替や絶縁対策で延命を図りながら稼働し続けているものも数多くある。
我々補修メーカは現場技術力に留まらず、操業影響まで配慮した保全技術的視野での改良改善や技術担保が望まれている。
本稿では診断技術から真空加圧含浸を適用したリニューアルへの展開を主眼として、回転機の延命に関する理論と現場経験から判断・実践した補修技術を紹介する。

建設事業部

釜石市発注「東部地区避難路施設整備工事」の記録

本工事は釜石市の東日本大震災の復興事業における「多重防災型まちづくり」の一環として実施された「グリーンベルト事業」の成果であり、当社は4 年6 か月の長きにわたり、陸閘製作を除く工事のほとんどの部分を請け負った。
本稿では、関係諸官ならびに地域と一体となって取り組んだこの工事の概要と、地域の要望に応えたり品質を確保するための適用技術および若手育成について述べる

ロボティクス事業部

自動化省人化案件への取組

当社ロボティクス事業部は、ロボティクスを手段として人手不足の解消や安全性向上など、多様なニーズ対応を実現することで社会に貢献する事を使命と位置付けている。本稿では、その一端である生産ラインの自動化/省力化において、幾度となく問題となった『製品の2枚取り防止』についての対策と、『多品種少量生産ラインの自動化』対応について紹介する。また、今後需要増加が予想される自動化/省力化ニーズに対する苫小牧ロボティクスグループの取組についても合わせて紹介する。

生産事業部

熱延ロール整備生産システムへの
TEXコード導入の有効性と今後の展望

当社では電計事業本部開発企画部で開発したTEX コードの実運用に向け、各事業部が連携し活動を進めている。生産事業部では中核作業であるロール整備分野への展開を視野に、実フィールドでの運用試験を行ってきた。試験の結果、複数ロールの一括確認や、移動状況とロールとの自動トラッキングが可能となり、またリアルタイムでの整備状況把握が可能となるため、品質面・生産面の問題解決において極めて有効であることがわかった。
更に将来的な生産システムの高度化の基礎となる要素技術であり、今回の実証成果のもたらす他作業への発展性は極めて高い。
今回はこの画期的なTEX コードトラッキングシステムの有効性と今後の展望について提案する。

活性炭事業部

原料炭多様化へ向けた脱硝脱硫メカニズムと解析手法の検討

当社が製造する活性コークスは石炭を原料としているが、石炭供給の変動に備え、原料である石炭の多様化に向けた新規炭の開発に取り組んでいる。開発にあたって、お客様での重要な品質の一つ「脱硝性能の成長」の改善に向け、分析データをもとに脱硝脱硫メカニズムの解明と解析手法の検討を行った。
既存の「選択率」という概念を元に脱硝過程の検討を進め、律速となる2 つの反応の遷移因子(指標)を求めて「脱硝性能の成長改善」への手段に繋げることが出来た。
この検討を適用し、製品の更なる品質向上、新原料炭の拡大につなげて行く。

商品紹介▶過去のレポート

機械事業本部

新商品(旧日鉄日新工機(株)商品)ラインアップ紹介
新組織内従来機能配置

2020 年7 月に当社と統合した旧日鉄日新工機(株)は製鉄関係が主要顧客ではあるが、その他の顧客向けにも独自性の高い優れた技術・商品を提供している。
今後は日鉄テックスエンジ株式会社として更なる事業展開を進めていく。主なラインアップとして、以下を紹介する。

製鉄関係
・製鉄搬送設備
・船舶用セルフアンローダー
・各種グラインダー設備・吊具

その他顧客向け
・ロックウール・グラスウール製造設備
・発電燃料受入払出設備

電計事業本部

オンライン設備診断システムのご紹介

設備診断とは生産設備の安定稼働や整備コスト削減等を目的として、設備劣化原因であるストレスや劣化程度・故障の種類、性能や機能を定量的に把握し、正しいアクションを決定するための技術である。当社はこの劣化兆候を把握する設備診断装置・システムとして、点検マンが巡回時に測定する携帯型診断器(エレスマートX1))と重要設備の長期にわたる傾向管理や定量的な点検の補助としてオンライン設備診断システムを販売している。このうちオンライン設備診断システムは主としてモータ、ポンプ、ブロワなどの回転機械に振動センサや温度センサ等を取付け、診断装置とパソコンを組み合わせて自動的にデータ採取としきい値判定を行って異常の発生をアナウンスするシステムで、鉄鋼・セメント・製紙はじめ様々な業界でご使用いただいている。1990 年代に初号機を開発し、現行第4世代となる本新商品は、IoTやビッグデータ解析連携等も可能なシステムである。

パーティクルボード事業部

“日鉄テックスエンジファインボード”のご紹介

本商品は、木質廃棄物のみを使用することで、CO₂ 削減に貢献する環境負荷軽減商品である。パーティクルボード加工により木質の欠点を取り去ると共に、新たに得られる特性を活かすことで、安価で目的に適した建築・家具・住宅内装材料等として広く利用されている。
当社では福岡県に製造工場を所有して九州域内から原料の木質廃棄物を調達し、当社が保有する先端エンジニアリング技術を活用することにより、高品質と安定生産をサポートしている。

業務への取り組みの紹介▶過去のレポート

業務スタイル 効率改善

機械事業本部

コロナ禍における働き方改革への取組み紹介

当社ではこれまでも種々の業務効率化に取組んできたところであるが、働き方改革関連法案の施行を機により一層の業務改善が求められるようになった。更に直近では新型コロナウイルス感染拡大に伴い、公共交通機関による出張や面着による社内打合せ・顧客折衝といった従来からの業務スタイルを遂行すること自体が益々困難な状況になっている。コロナ禍における、「会えない」、「集まれない」不便を解消した新たな業務スタイルが求められる中、従来スタイルからの脱却を指向した当社の取組み例を以下に紹介する。

人材活用・ひとづくり

建設事業部

軌道整備技術教育のための研修センター開設

当社は、日本製鉄株式会社・九州製鉄所八幡地区の近隣にある枝光教育センター(福岡県北九州市八幡東区枝光)敷地内に「枝光保線技能研修センター」を開設した。
当社では日本製鉄株式会社殿の6 製鉄所8 地区構内を走る軌道のうち、5 製鉄所6 地区の設備保全を担っており、各所の保全技術の平準化、整備力の強化・技術向上、次代への技能伝承などを狙いとしたものである。対象者は各製鉄所で業務に当たる約200 人(協力会社含む)とし、当社社員については施工管理業務、協力会社については施工業務についての研修を行う。
本稿では枝光保線技能研修センターの概要および軌道技術者教育における今後の展望について紹介する。

マイスター認定審査会事務局:技術本部技術総括部

日鉄テックスエンジ マイスター認定表彰制度の紹介

日鉄テックスエンジ(株)では 各事業分野において長年の自己研鑽により高度な技能を極め、その技能の伝承や人材の育成にも尽力し、社業の発展に貢献した高度技能保有者に対して敬意を表すためにマイスター認定表彰制度を制定し、2020 年度から運用を開始した。
この制度が社員の高度技能取得へのモチベーションを醸成し、社としての高度技能レベルの向上に資することを期待している。